筋肉は一本一本の筋繊維が束になって形成されています。
その筋繊維の並び方の違いによって筋肉は異なる性質を持つようになります。
大きく分けて「平行筋」と「羽状筋」と分けられますが、今回がそれぞれの特徴とその筋肉がついている場所など解説していきます。
素早い力を出せる「平行筋」、大きな力を出せる「羽状筋」
筋繊維の並び方によって筋肉は「平行筋」、「羽状筋」分けられるとお伝えしましたが、「平行筋」は筋肉に対して平行に筋繊維が並んでいます。
対して「羽状筋」は、鳥の羽のように筋肉に対して斜めに筋繊維が並んでいます。

平行筋はそれぞれの筋線維が平行に走っているため、1本の筋線維が縮む距離は筋肉全体が縮む距離と同じになります。
そのため筋線維が短くなれば、筋肉全体も同じだけ短くなるので、素早く力を出せるという特徴があります。
羽状筋の場合は、1本1本の筋線維は平行筋と比べて短いので、個々の筋線維が収縮して短くなった距離は、筋肉全体からするとわずかな距離になってしまいます。
だいたい羽状筋の収縮速度は平行筋の3分の1とされます。
筋線維が出したスピードが筋肉全体のスピードに反映されないため、羽状筋は速度という点においては、平行筋より不利ということになります。
しかし、羽状筋が有利な点もあります。
羽状筋は個々の筋線維が短い分、より多数の筋線維が筋肉の中に詰まっていることになり、しかも短い筋線維が並列しているため、それぞれの筋線維が生み出す力を足し算することができます。
したがって、より強い力を発揮することができる。つまり羽状筋には、スピードは出ないけれども力は出せる、という特徴があるのです。
平行筋 | 羽状筋 | |
筋繊維の並び方 | 筋肉に対して平行に並ぶ | 鳥の羽のように筋肉に対して斜めに並ぶ |
得意 | 素早い力を出せる | 大きな力を発揮できる |
不得意 | 大きな力は出しづらい | 力を出すスピードは遅い |
平行筋は屈筋、羽状筋は伸筋に多い
では、平行筋と羽状筋の筋肉のそれぞれの特徴がわかったところで、それぞれの筋肉がついている場所を紹介していきます。
平行筋は「素早い力を出せる」という特徴から、曲げる際に使われる筋肉についていることが多く、代表的なところでいうと力こぶである"上腕二頭筋"についています。
他にも太もも裏の筋肉のハムストリングスは、羽状筋ではありますが、筋繊維の角度が浅い平行筋に近い形状になっています。
あとは大胸筋や、広背筋、三角筋前部・後部が平行筋となってます。
次に羽状筋は「大きな力を発揮できる」というところから大腿四頭筋や上腕三頭筋、ふくらはぎの腓腹筋などが代表的な羽状筋です。
大きな力を出すために羽状筋は面積の大きい筋肉についていることが多いのも特徴です。
他にも三角筋中部も羽状筋です。
まとめ
平行筋と羽状筋の特徴とついている部位をお伝えしましたが、平行筋は素早い力を出せるところから高レップで鍛えると反応が良いとされます。
反対に羽状筋は、高重量で鍛えると筋肥大しやすいとされているため、それぞれの筋繊維の並びに応じて鍛え方をトレーニング方法を見直してもいいかもしれません。