三大栄養素の脂質は1gあたり9kcalと、三大栄養素の中でも最も高いエネルギーを得ることができます。
脂質を摂りすぎるとすぐに太ってしまうと言われダイエットや減量では脂質をカットしがちですが脂質は重要な役割があり脂質をカットしすぎると様々な悪影響が出ます。
今回は3大栄養素の一つ脂質についてどんな役割があるのか、また脂質の中にもいくつか種類があるのでそれぞれをお伝えしていきます。
✅目次
脂質の役割

脂質は体内でエネルギー源になるほか、色々と重要な役割があります。
細胞膜など、体内の重要な構成物質の材料になる
細胞の表面にある膜を細胞膜と呼びます。
これは必要な物質を細胞の中に入れて、不必要な物質は入れないようにする重要な役割を果たしています。
細胞膜を構成する重要な物質の代表が、リン脂質やコレステロールなどの脂質が材料となります。
エネルギー源になる
脂質は少量で多くのエネルギーを得ることができるので人間にとって重要なエネルギー源になります。
また、脂質は脂肪として体内に貯蔵することができ、エネルギーが枯渇した際にエネルギーとして脂肪を分化して利用することができます。
ホルモンの材料となる
副腎皮質ホルモンや男性ホルモン、女性ホルモンなどはコレステロールから作られます。
実際に脂肪の摂取量は少なくなってコレステロールの数値が低くなると、男性ホルモンや女性ホルモンのレベルが下がります。
男性ホルモンレベルが下がるとテストステロンのレベルが下がるので筋肉の合成が行われにくくなります。
また女性であれば生理不順などを引き起こす原因となります。
ホルモンレベルの適正化を考えると、だいたい総摂取カロリーの2〜3割ほどは脂肪から摂取するようにしたいところです。
エイコサノイドの材料になる
脂質から作られる「エイコサノイド」という局部的に働くホルモン様物質は、その作用で血圧を微妙に調整したり、睡眠を誘発したり、子宮や気管支などの平滑筋を収縮させるなど様々な代謝をコントロールします。
脂溶性ビタミンの吸収を助ける
ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2種類に分けることができますが、このうちの脂溶性ビタミンの吸収を助けます。
他にも体温調整や、代謝のコントロール血管の内壁保護、内臓の位置を正常に保つ、脳細胞の神経線維を守る鞘の構成物質になるなど、邪魔だと思われがちですが非常に重要な働きをしてくれます。
脂質の種類
脂質は構造上以下に分類されます。
・脂肪酸・・・代表的な構造、いろいろなことに関与します。
・トリアシルグリセロール・・・貯蔵される形です。
・グリセロリン脂質・・・生体膜を形成します。
・スフィンゴ脂質・・・少し複雑なので説明は省略します。
・ステロイド・・・コレステロール、ステロイドホルモンなど。
上記で説明した脂質の役割には上の脂質がそれぞれ働いています。
また脂質の中で代表的な脂肪酸は大きく2つに分類することができます。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
脂肪酸は大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分けることだできます。
飽和脂肪酸

ラードやバターなど、肉類の脂肪や乳製品の脂肪に多く含まれます。
飽和脂肪酸は溶ける温度が高く、常温では固体で存在します。そのため体の中では固まりやすく、しかも中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があるため、血中に増えすぎると動脈硬化の原因となります。
飽和脂肪酸を摂りすぎると肥満や動脈硬化などの原因となるため過剰摂取しないようにするのが良いでしょう。
不飽和脂肪酸

青魚やオリーブオイル、アボカドなどに多く含まれます。
エネルギー源や身体の構成成分となるほか、血中の中性脂肪やコレステロールの量の調節を助ける働きがあります。
また一部の多価不飽和脂肪酸には、脳神経の発達やアレルギー症状の緩和を助けるなど、ほかの脂肪酸にはない有効な働きがあります。
融点は低く常温では液状で存在するため脂肪としては蓄積されにくく素早くエネルギーに替わります。
この不飽和脂肪酸の中にはEPA・DHAという必須脂肪酸(体内では生成されず体外から摂取する必要がある脂肪酸)が含まれており、
筋合成や成長ホルモン分泌などトレーニングをしている人には嬉しい効果があります。
EPA・DHAの詳しい説明は下記の記事をご覧ください。
最後に
脂質は体内で重要な働きをする栄養素です。
飽和脂肪酸をできるだけ控え良い油とされている不飽和脂肪酸をしっかり摂取して健康的にボディメイクをしましょう。